当サイトでの以前川崎市に住む世帯向けに、成人ぜん息助成があるという記事を書いていましたが、今年ついにこの助成事業が終了することが川崎市議会にて決定したようです。
川崎市成人ぜん息助成終了の概要
以下は現在成人ぜん息の医療費助成を受けている人向け発行されているお知らせになります。
廃止の理由としては、「他のアレルギー疾患との公平性の観点から」ということになっていますが、これはある意味仕方がない部分かもしれませんね。
(因みに20歳未満の小児喘息については、川崎市では引き続き全額補償しています)
正直他の県を見ても、成人ぜん息を助成しているところはほとんどありませんし、川崎市だけが独自で行なっていた助成事業になります。当初この事業を知った時には、ぜん息の人こそ川崎市に引っ越す(但し工業エリア以外)のも良いんじゃないかと思ったぐらいです。
新規申請は2024年4月1日まで
今回継続しないということが決まっただけなので、即廃止にはなっていません。
とはいえ、新規患者の申請については令和4年4月1日までということになっているので、もし今少しぜん息かもしれないなと思っている方は、近くの医療機関でぜん息の診断書をもらって申請したほうがいいかもしれませんね。
因みにぜん息と診断されるには、①ぜん息の症状が出ていること、②アレルギー疾患を持っていること、になります。ぜん息の症状があるかどうかは医師の診断次第になるので、個別に相談した方が良いですが、概ねアレルギー検査などで1万円程度かかることになるので、注意しましょう。
更新を忘れるな!2026年3月31日まで助成継続
また既に川崎市のぜん息助成を受けている人は必ず更新を忘れないようにしましょう。
医療費認定の有効期間は2年間になるので、今医療証を持っている人は2026年前におそらく一度期限を迎えるはずです。新規の申し込みは2024年4月1日で終了となっているのですが、期間中更新だけは可能になっているので、必ず期間中に更新しておきましょう。
更新を忘れてしまうと、新規発行はもうできなくなっているので、注意しましょう。
川崎市成人ぜん息助成の経緯
因みに、元々川崎市が成人ぜん息助成事業を始めた経緯を調べてみたのですが、情報が古くあまり良いものが見つかりませんでした。
ただおそらく今回の廃止に当たり議論の中で使用された補足資料だと思うのですが、以下の資料が見つかりました。
資料によると、東京都でも大気汚染の問題が平成初期(おそらくバブル経済期)に発生しており、その際に当時の道路公団とディーゼル車メーカーを狙い撃ちにして、訴訟が起きていました。
それを契機にし、東京都で都 / 道路公団 / 自動車メーカの財源を使って助成事業が開始しています。
おそらく川崎市も同じようなタイミング平成19年にぜん息事業「喘息死ゼロ作戦」が始まったのかと思いますが、その後東京都については平成30年に廃止になっています。
川崎市については、その後も継続で続いていたのですが、今回ついに廃止になったということですね。
まとめ
- 2024年4月1日で新規申請受付の停止
- 2026年3月31日までは既存患者への助成(1割負担)は継続
- 更新を一旦忘れると、医療証の再発行はできない
気管支喘息の医療証を持っていると、正直結構幅広い症状がぜん息由来として診断されるので、医療費削減ライフハックとしてはなかなか便利だったのですが、こういった一見お得な方法はいつかは終わるものになるので、見つけた時点でいち早く取り入れておきたいですね。
一方でぜん息に苦しんでいる患者は川崎市にも約1.3万人もいるので、今回の助成金停止によって、受診控えが起こり、症状が悪化することは懸念されていますが、また問題が起きた段階で何か検討されるんじゃないかと思います。
今後の動向にも注視して行きたいですね。